箱根の野草を訪ねる旅

2002-09/11〜2002-09/12


 9月7日(土)のNHK-TVで箱根湿生花園のオミナエシが見頃との放送を見て急遽旅行を計画した。

2002-09/11(水)

朝7時半に自宅を出発する。空には雲が多いが天気予報では晴れのち曇りとのこと、そのうちに晴れるだろうと期待しながらアクアラインを経て横浜から国道一号へ快調に飛ばす。ところが東名にするか国道にするか分岐点で一瞬迷い咄嗟に選んだ一号線が失敗だった。横浜を抜ける頃から大渋滞でノロノロ運転を小一時間。自宅を出てから3時間近くもかかってやっと箱根に到着。
昨年、新国立劇場へオペラを観に行った時に宣伝していたポーラ美術館が五日前(9月6日)に箱根仙石原に 開館した筈だとまずはそちらへ向かう。国道138号から山を切り拓いて作られた急な坂道に入り1km程登って行くと木立の中にガラス張りの建物が見えてきた。建物は地上2階地下2階で、2階部分が入り口となっていて展示室は1階と地階部分である。有名画家の作品も数多く展示されていて予想を上回る規模の美術館であった。
開館記念展は"光の中の女達"と題して美術館所蔵の作品の中からテーマに沿った作品を選び展示していた。

ポーラ美術館

ポーラ美術館を出て芦ノ湖へ向かう途中マイセン庭園美術館なる看板を発見。周囲に人の姿が見えないが建物に入ると裏のほうから受付らしき人が出てきたので料金を聞くと一人1,600円。 『高いなぁ』と思ったが、料金を聞いてしまってからでは何となく帰づらいので二人分払って入館した。しかし、庭園美術館とは名ばかりであまり手入れされていない芝生の庭が美術館の裏に広がっているだけ。展示品も館長が20年程前から個人的に収集したマイセン磁器を狭い部屋(20u程の部屋1部屋と60u程の1部屋だけ)に並べているだけで解説も無い。高いか安いかは個人の見解にも拠るが私にとってはちょっと高すぎと感じた。だって素晴らしい作品が沢山展示されているポーラ美術館だって1,800円だよ。
少し早い昼食を食べてからべススキが原へ。昨年も紅葉を見に来てここでススキの写真を沢山撮ったが、パソコンのトラブルで全て消えてしまった。だが今年はまだススキの穂が出たばかり、銀色に輝くススキを撮るにはちょっと早すぎたようである。

ススキが原

昨年11月箱根湿生花園に来た時は、入り口のチケット売り場で『今は何も花が有りませんよ』と言われてスゴスゴと引き返す羽目に。だったら閉鎖すればいいのにと思いながら予定を変更したが、今年はまだ9月、TVでオミナエシが綺麗だとの情報を得たて来たので無事に入園。これで箱根地方に生えている湿生植物の写真を沢山撮れると期待していたが、実はここにある湿生植物の大半は日本全国から集めたもので、花の写真を撮ってから横にある花名の立て札を見ると『箱根には無い』と書かれていてガックリする事しばしば。先へ進むと急に展望が開けて一面のオミナエシとワレモコウが。ここがTVで放送されていた所らしい。何人かのカメラマンが木道に三脚を構えていたがこちらはデジカメ手持ち、機動力は抜群で10枚以上も写真を撮ってしまった。(後でパソコンに入れて見たら碌な写真が無かったが)

オミナエシとワレモコウが咲き競う箱根湿生花園

芦ノ湖沿いに車を走らせていると左に箱根神社と書かれた柱が立っている。もう午後5時近くになるが『まだ明るいのでちょっと寄って行こうか』。こう言う話はすぐにまとまる。周囲はうっそうとした大木に囲まれ少し薄暗い中、長い階段を登ると正面に色鮮やかな朱塗りの社殿が見えてきた。鎌倉時代には東国武士の心の拠り所として栄え江戸時代まで箱根権現として崇拝されたらしいが、今は人影も無くひっそりと静まりかえっていた。

箱根神社


2002-09/12(木)

昨晩泊まった箱根プリンスホテル前の林の中にはバンガローが散在していて若者グループの賑やかな話し声が聞こえてきた。ここもホテルが経営しているらしい。暫く林の中の散策で森林浴。辺り一面にはゲンノショウコの花が咲き乱れているがあまり沢山だとつい写真を撮るのも忘れてしまう。

ホテル周辺
ホテルは芦ノ湖に面している 林の中にはバンガローが

野草の花を求めてハイキングコースを歩こうと駒ケ岳ロープウェーで山頂へ。湖岸では青空が見えたのに上がるにしたがって霧が濃くなって駒ケ岳山頂では10m先も見えず、富士の威容を見るどころか山頂駅から数歩しか出られなかった。その上ハイキングコースは通行止めと言われ、情けないけどそのまま又ロープウェーで下山した。

駒ケ岳ロープウェー
遠く芦ノ湖を望む 眼下に広がるヒノキ林
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恩賜箱根公園はかつて明治天皇の離宮が有ったところで、当時の建物は現存しないが湖畔展望館の1階に離宮の資料や模型が展示されていて往時の姿を偲ぶ事が出来る。1946年(昭和21年)に一般に開放され展望館の2階からテラスに出ると芦ノ湖を一望できる。展望館前には広大な庭園が広がっていて、手入れの行き届いた植木の間を湖畔に向けて進むと小高い展望台がありそこからの眺めもまた素晴らしい。この公園の近くで見つけたツチアケビの異様な姿は中々忘れられない。

恩賜箱根公園
湖畔展望館 展望台から見た芦ノ湖


時代劇にもよく登場する箱根の関は元和5年から明治2年までの間250年もの長きにわたり江戸の守りを固める為に設けられていた。発掘調査の成果や資料に基づいて現在大々的に復元作業が行われていてるので、完成時(2007年4月の予定)には江戸時代と同じ関所の光景が見られるようになるでしょう。

箱根の関所
関所跡 資料展示館

関所からの帰り道箱根芦ノ湖美術館(1,100円)へ。5階建のうち展示室は2階〜4階で1階はショップと喫茶室、5階は企画展示とイタリアンレストランである。展示作品はミレー、コロー、ピサロ、シスレー、モネ、ルノアール、ゴッホ・・・と有名画家の作品が目白押し。絵の好きな方には是非お勧めである。面白いのは窓に架けた素通しの四角い額で、中に芦ノ湖の実景が取り込まれて絵のように見える。

箱根芦ノ湖美術館


箱根芦ノ湖美術館の中の喫茶室カフェ ラ ミルでコーヒーとケーキを注文し芦ノ湖を眺めながら一休憩。ケーキの味は秀逸である。

芦ノ湖


次に何処へ行こうかと相談していると雨がポチポツ降り出して来た。「今回はこれにて打ち止め」と後の予定は全て中止して急遽帰宅の途につく。箱根を後に横浜に近づくにしたがって青空が広がりアクアラインに乗る頃は一点の雲もない快晴になった。時間も早いのでアクアラインの途中にあるウミホタルで休憩。横須賀や君津の工場群もハッキリと見える。芦ノ湖上空もこの天気だったら良かったのになぁ。

アクアライン、ウミホタル
ウミホタルから袖ヶ浦方面を望む 風の塔の向こうには川崎が見える